ブルース

どちらかというと、未来へと歩みを進めることに夢中で、
さっき過ぎてしまった時間さえも過去になってしまう、
というタイプではない。
ゆっくりと時間を経て育ってきたものがよいから、わたしの一歩はとてもゆっく
りだ。
古いものはいい。
今のようにものがありふれる時代ではなかった時に生まれたものは
凝縮されているたったひとつの力があるのだ。
今はたくさんの凝縮がたんこぶとなって、
ひとつのものにたくさんついていて頭デッカチのような気がしてならない。
音楽はあまり詳しくはないけれど、やっぱり古い時代の音には鳥肌が立ってしま
う。
当時の音が、今また一分、一秒と時間の上を確実に進んでゆくのだから。
1920年代のブルースがとてもいいのだ。
ブルースは19世紀後半にアフリカ系アメリカ人から始まった音楽で、
労働苦や日々のささいな出来事を歌ったもの。
次第にR&Bになったりロックンロールになったりジャズになったり、
と白人趣味のもと多様化されていったものだ。
中でもシカゴ・ブルースやデルタ・ブルースやニューオーリンズブルースなど
きちんと正統派も残っている。
20年代ブルース歌手は当然さまざまではあるが、
歌声には、欲張らない明るい余裕ゆえの集中した凝縮感が感じられる。
おおらかでいて迫力がある。
当時スミスという名の歌い手が多く、Bessie Smith、Clara Smith、Mamie Smith
などがいた。
わたしの最大のお気に入りは何と言ってもVictoria Spivey。
ヒョウ柄のコートを纏って、パンチパーマのような髪にニヤリと笑う姿がかっこ
いい。
飽食の時代、現代にシンプルでいることは難しいことなのだろうか?

このブログ記事について

このページは、direct-tv-promoが2011年2月23日 19:34に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「時計を盗んだムカつく野郎」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

カテゴリ

ウェブページ