2010年に映画が公開され、一部で非常に大きな盛り上がりを見せている冲方丁さんの作品です。日本SF大賞受賞作でもある本作は上中下巻に分かれており、こちらは上巻です。
冲方丁さんの最高傑作との呼び声も高いため、とても大きな期待を持って読み始めました。が、一巻の段階では絶賛を得られるほどのものは感じられません。面白いかという点に関して言えば、面白い作品ではありますが、おそらく短い段階で判断するには早い作品なのではないかと思われます。登場人物たちが意外と冷静だからか、起こっている事実に対して盛り上がりを感じません。
この作品の特徴的な点としては、設定の激しさにあります。主人公が未成年娼婦であるという点、彼女は十二歳の頃に父親にバージンを奪われている点。そのために自分をひどく遠くから俯瞰して見る視点を獲得しているということ。旬の話題としては、「来いよ、石原!」的な感じです。違いますけどね。きっと全ては同一視されて終わりでしょう。
さて、話が逸れました。率直な感想としては続きが気になるというところでしょうか。とてつもなくストーリーの頂点的な位置で第一巻が終わります。
ただ、なんだか不思議な語り口だと思います。冲方さんの他の著作を読んだことがないのでわかりませんが、全体を俯瞰している存在を感じさせるような気がするんですよね。それは私の感じ方なので、別に誰も意図していないかもしれませんが。登場人物たちに付かず離れず、たまに寄り添うような描写かと思えばやたらと遠くから冷めた目で見つめていることもあるように感じます。それがなんとなく入っていけない気になった一因かなあと思います。
生きる意味、存在理由がテーマになっている作品ですから、生半可な気持ちで読み始めると嫌な気持ちになること請合いです。しかし、じっくりと読むにはいいと思います。レーベルのせいかもしれませんが、なんとなく翻訳小説っぽいイメージが漂ってくるのも大きな特徴かもしれません。
冲方丁さんの最高傑作との呼び声も高いため、
この作品の特徴的な点としては、設定の激しさにあります。
さて、話が逸れました。
ただ、なんだか不思議な語り口だと思います。
生きる意味、存在理由がテーマになっている作品ですから、